健康

子どもの鉄分不足に注意!「やる気」や「集中力」との関係

子どもが健康に成長するために欠かせない栄養素の一つが鉄分です。鉄分が不足すると成長や発達に悪影響を及ぼす可能性があります。今回は鉄分が子どもの成長にとってどんな役割を担っているのか、欠乏するとどのような影響があるのか、また、鉄分の必要量や鉄欠乏にならないための対策についてご紹介します。

鉄分のはたらき

鉄分は赤血球(ヘモグロビン)の材料となり、主な働きは全身に酸素を送ることです。酸素には血流を良くしたり、細胞を活性化させる働きがあります。鉄分が不足すると酸素が全身に行き渡らないことで、めまいや立ちくらみが起きやすい状態になります。また、具体的な症状だけでなく、「疲れやすい」「集中力がない」ことの原因が鉄分不足ということもあります。特に脳は多くの酸素を必要とするため、充分な酸素が行き渡らないと記憶力や集中力が低下し、学習に影響を及ぼすことになります。

赤ちゃんは生まれてからしばらくの間お母さんからもらった貯蔵鉄がありますが、6ヶ月ほどで枯渇してしまいます。その後離乳食がうまく進まなかったり食事の偏り、牛乳貧血によって鉄欠乏になることがあります。

鉄欠乏を予防するには

①鉄分を多く含む食材を積極的に摂る

鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、非ヘム鉄はタンパク質に結合していない無機鉄のことを言います。

ヘム鉄:肉や魚などの動物性食品に含まれる

非ヘム鉄:小松菜やほうれん草などの植物性食品に含まれる

ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収率が高く、非ヘム鉄の5~6倍の吸収率です。ヘム鉄が豊富な食品としてはレバーや赤身肉、しじみなど、非ヘム鉄が豊富な食品はひじきやほうれん草、プルーンなどです。

②タンパク質・ビタミンCを一緒に摂る

非ヘム鉄もタンパク質と一緒に摂取することで吸収率が上がります。腸からの吸収を促進し、鉄分と共に赤血球(ヘモグロビン)の材料となります。また、果物などのビタミンCと一緒に摂取すると鉄分が腸内で吸収されやすい状態になると言われています。

③タンニンの摂取を控える

コーヒーや紅茶、お茶などに含まれるタンニンは鉄分の吸収を阻害してしまいます。食事中や食後に飲むのはできるだけ控えるようにすると良いです。

鉄欠乏にならないようにするためには鉄分をしっかり意識した食事をすることが欠かせません。

鉄分の摂取目標について

生後6ヶ月以降の子どもの1日の鉄の摂取推奨量は下記になります。

鉄の食事摂取推奨量(mg/日)

年齢         男      女   (月経あり)
6~11ヶ月        5.0g     4.5g
1~2歳        4.0g     4.5g
3~5歳        5.5g     5.5g
6~7歳        6.5g     6.5g
8~9歳        8.5g     8.0g
10~11歳        10.0g     9.5g    13.5g
12~14歳        11.0g     10.0g    14.0g
15~17歳        9.5g     8.5g    10.5g

(厚生労働省 鉄の食事摂取基準)

鉄分が豊富だと言われている食品のうち、100gあたり鶏肉には1mg牛レバーには4mg小松菜には2.8mg含まれています。そう考えると、目標推奨量への到達は鉄分をかなり意識した食事にする必要があることが分かると思います。上で挙げたように一緒に摂取するものを工夫したり、鉄の鍋やフライパンを使用することも鉄分摂取には効果的です。その他にもサプリなどを上手く活用するのも良いでしょう。

最後に

鉄欠乏による身体の不調は目には見えにくく、具体的な症状として現れない場合もあります。その上、成長や発育に大きな影響を及ぼす可能性も。普段から子どもの鉄分摂取には気をつけてあげたいですね。

 

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