子どもの便秘は放っておくと危険!?
便秘はよく聞く症状で、たいしたことではないと思われがちです。
ですが、子どもの便秘は放っておくとだんたん悪化してしまうことが多い病気。
子どもの便秘が悪化しやすい理由には、2つの悪循環が関わっています。
1度硬い便を出して肛門が切れ痛い思いをすると、子どもは次の排便を我慢してしまったり、息むのを嫌がったりしてしまいます。
大腸は便から水分を吸収する働きがあるため、たまった便はどんどん硬くなり、ますます痛みを伴うため、さらに我慢するようになります。
そのようなことを繰り替えすと、便がたまる状態に直腸が慣れてしまいます。
通常、直腸に便が溜まることで便意が生じるのですが、腸が鈍感になることで便意が起こりにくくなってしまうのです。
その結果どんどん便がお腹に溜まり、便秘が悪化していくといわれています。
また、おなかがパンパンに張って食欲が低下することにより栄養が摂れず、発育に影響したり免疫力が下がったりと、便秘とは単に「便が出ない」だけの問題ではありません。
大切な子どもの未来のためにも、便秘気味だと気付いたらすぐに対処をしてあげることが大切です。
今回は、便秘のサインと今すぐできる対処法をご紹介します。
便秘のサイン
毎日排便があったとしても、ひとつでも当てはまったら便秘の可能性があります。
うんちの状態、子どもの様子から、便秘のサインを見つけましょう。
うんちの状態
- コロコロしている
- 少量ずつしか出ない
- 少量のうんちが何度も漏れる
- トイレが詰まるほどの大量のうんちをする
子どもの様子
- 週に3回未満、もしくは5日以上排便がない
- うんちをするとき痛がる、肛門が切れて出血している
- 痛みでトイレを我慢する
- お腹を触ると下腹部に塊をがあるのを感じる
今すぐできる対処法
毎朝トイレに座る
毎日同じ時間に朝ごはんを食べ、同じ時間にトイレに行くことで、排便リズムを整えてあげましょう。
無理やりいきむ必要はなく、「うんちが出たらラッキー」という気持ちで、5分~10分トイレに座っているだけでOKです。
便が出たらたくさん褒めてあげてください。
トイレを楽しい場所に変える
トイレという空間自体が苦手で排便を我慢してしまう子も多いです。
くさい、こわい、くらいなど、子どもの苦手要素をトイレから取り除いてあげましょう。
トイレができたときのご褒美シールや絵本を用意するなど、ちょっとした工夫も取り入れてあげるといいでしょう。
「の」の字マッサージ
おへそから「の」の字を描くように手のひらでマッサージし、腸の動きを促進します。
手が下に降りるとき(膀胱の方に向かうとき)は、少しだけ力をいれます。
手が戻るとき(胃の方向に向かうとき)は、力を入れないでください。
こまめな水分補給
子どもは大人以上に寝汗をかくため、思っている以上に水分不足になっている可能性があります。
水分不足は便秘を悪化させてしまいます。
こまめに水分を摂るように意識しましょう。
ヨーグルトを試す
ヨーグルトに含まれる乳酸菌には整腸効果があり、子どもがおやつ感覚で食べられるため食生活に取り入れやすいです。
体に合う乳酸菌は人によって異なるため、ひとつ試してみて思うように効果が出なくても、いろいろなヨーグルトを試してみることをおすすめします。
食物繊維を取り入れる
食物繊維には、便に水分を与え柔らかくしてくれる水溶性食物繊維と、便のかさを増やす不溶性食物繊維の2種類があります。
便が硬くなってしまっている場合、不溶性食物繊維を摂り過ぎるとさらに悪化してしまう可能性があるため、水溶性食物繊維を多く食べるようにしましょう。
水溶性食物繊維は納豆や海藻類に多く含まれています。
食材から取り入れるのが難しい場合は、子ども用サプリなどもおすすめです。
まとめ
うんちが出にくくて、お腹がが張る、お腹が痛い、食欲がなくなる、肛門が切れるなどの症状がある場合は「便秘症」という立派な病気です。
子どもの便秘には、保護者の方が子どもの排便をしっかりチェックすること、子どもとのコミュニケーションが大切です。
ぜひ、紹介したサインや対処法を取り入れてみてくださいね。
なかなか便秘症状が改善されない場合は、早めにかかりつけの小児科に相談してください。