健康

タンパク質って結局何?タンパク質の基本の「キ」!

子どもの成長や健康維持、もちろん大人にとっても重要で欠かすことができないタンパク質。「タンパク質摂取が大事」ということはご存知の方が多いかと思いますが、タンパク質とは何か、体内でどんな動きやはたらきをするかなど、よく分からない方もいるのではないでしょうか。そこで今回はタンパク質について解説したいと思います。

タンパク質について①

タンパク質とは、20種類のアミノ酸が結合した高分子化合物です。20種のアミノ酸の内一つでも欠けるとタンパク質は合成できません。

必須アミノ酸【9種】(体内で生成できないため食事からの摂取が必要)
バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン

非必須アミノ酸【11種】(体内で生成可能)
グリシン、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、セニン、アスパラギン酸、アスパラギン、チロシン、システイン、アルギニン、プロリン

また、タンパク質は身体を構成する中心の成分で、身体の20%を占めます。水分の次に多い成分で、水分を除くと身体の50%はタンパク質ということになります。筋肉や骨、血管、血液、内臓など身体をつくる役割や、ホルモンや免疫、抗体をつくる、エネルギーになる(1gあたり4kcal)など様々なはたらきをします。

タンパク質について②

タンパク質を摂取すると、体内ではアミノ酸へと分解・吸収された後、タンパク質に再合成されます。常に古いものから新しいものに作り変えられていて、体内のアミノ酸と少しずつ入れ替わりターンオーバーを繰り返しています。この際全てのアミノ酸が再合成されるわけではなく、一部利用されないアミノ酸が残ります。それらはエネルギー源に回されたり、不要な分は排出されるので、常に再合成にはアミノ酸が不足する状態になります。このようにタンパク質は絶えず循環していて体内に貯めておくことができないため、健康を維持するためには不足分を補えるだけのタンパク質を毎日摂取する必要があります。

アミノ酸スコア

タンパク質の1つの指標として「アミノ酸スコア」というものがあります。

アミノ酸スコア:
食品に含まれるタンパク質の各必須アミノ酸含量を基準値と比較したときの比較割合の最小値のこと。

つまり、アミノ酸スコアは必要量に対して最も低い割合の必須アミノ酸の数値で決まることになります。20種のアミノ酸の内どれか一つでも足りないとタンパク質は合成されないため、最も低い割合の必須アミノ酸によってタンパク質の利用率が制限されることになります。例えば、必須アミノ酸9種の内8種が充分に含まれていても、1つが基準値に足りないとスコアは低くなるということです。

効率良くタンパク質を摂取するには、アミノ酸スコアが高いものを選ぶか、アミノ酸の不足を補える組み合わせで食事を摂ると良いでしょう。基本的に動物性タンパク質はアミノ酸スコアが高いものが多いので、肉や魚、卵を意識して食べると効率よくタンパク質を摂取することが可能です。

1日の摂取量の目安

大人のからだを健康に保つには、1日当たり体重1kgにつき1~1.5g程度のタンパク質が必要といわれています。例えば、体重60kgの人は1日約60~90gのタンパク質が毎日必要になるという計算です。タンパク質はターンオーバーを繰り返していることから、古くなって排出される分不足しないように補うするには、毎日コツコツと摂取することがとても重要です。また、子どもは成長しているため、健康を維持するだけでも大人よりも相対的にタンパク質が必要ということになります。具体的な目標量はこちらの記事をご覧ください。

⇒ タンパク質って子どもにどれくらい摂らせたら良いの?その疑問にお答えします!

最後に

タンパク質が不足すると筋肉を分解してアミノ酸をつくることになります。また、正しくターンオーバーがおこなわれなくなり、骨や血管、内臓、ホルモン、免疫機能など身体全体に影響を及ぼしかねません。タンパク質について正しく理解し、健康維持・お子さまの健やかな成長のためにお役立ていただき、普段の食事を見直すきっかけになれれば幸いです。