こどもに離乳食を食べさせる頃になると心配になるのがこどもの食物アレルギー。代表的なものだと、牛乳や卵、小麦などでアレルギー反応が起きることがあります。
症状も下痢や嘔吐の消化器系の症状や咳など呼吸器に影響が出るものがあるなど多岐に渡ります。
そのため、どうすればアレルギー反応を引き起こす食べ物を見つけられるのか探している方もいらっしゃるかと思います。お子さんの健康に関わる重大なことですので当然、心配される方が多いですよね。
そこで今回は、こどもの食物アレルギーについて一緒に考えていきましょう。
こどもの食物アレルギーってどんなものなの?
はじめに食物アレルギーとは
食物によって皮膚や目・鼻、呼吸器、消化器などへの症状、アナフィラキシーが引き起こされる現象
と定義されています。
こどもの食物アレルギー(特に赤ちゃん)は主に以下の食べ物を摂取した時に症状を起こしやすいです。
・鶏卵
・牛乳
・小麦
・大豆
・落花生
他にも、エビやカニなどの甲殻類や、米、そば、メロン、マンゴーなどでもアレルギー反応が起きることがあります。
こどもの食物アレルギーの症状は?
即時型食物アレルギー
乳幼児だけでなく大人でも多い食物アレルギーが、「即時型食物アレルギー」です。
アレルゲンとなる食物を食べてから2時間以内に皮膚や粘膜、呼吸器、消化器に症状がみられます。多くは15分以内に症状が発生します。
例えばアレルギーの症状はこのように起きます。
・食べた後に顔や体全身にじんましんがポツポツ出てきた
・元気がなくなって嘔吐
即時型食物アレルギーで最も患者が多いのが0歳〜1歳までの乳幼児です。年齢があがっていくほど治っていくことが多いのがこのタイプです。
新生児・乳児消化管アレルギー
粉ミルクに含まれる牛乳のタンパク質で起こる食物アレルギー。発症までに24時間かかります。原因は人工ミルクであることがほとんどですが、完全母乳栄養児に起きることもあります。
アレルギーの症状は
・嘔吐
・下痢
・血便
です。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
学童期のこどもや若い成人に多い食物アレルギーで、特定の食品を食べた後に運動することで発症するアレルギーです。
こどもの場合、昼食後の休み時間や5時間目の体育の時間や、運動系の部活の最中に起きやすいことが報告されています。
アレルギーの症状は、以下の通りです。
・じんましん
・むくみ
・咳
・呼吸困難
こどもの食物アレルギーとアトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎を発症しているこどもは食物アレルギーを発症する可能性が高く、約50%〜70%は関与していると言われています。
アトピー性皮膚炎を発症すると、皮膚を掻いたりすることで肌のバリア機能が低下してしまい、食物アレルギーを引き起こすこどもが多くなるのです。
アトピー性皮膚炎を発症している赤ちゃんは、避けるべき食物を離乳食から外したり、離乳食のスタートを遅らせることもあります。
こどもの食物アレルギーの原因ってなに?
食物アレルギーは、免疫の過剰反応で、原因物質は食物に含まれるタンパク質です。特定の食物を摂取したことにより、免疫が過剰に働いて、下痢やじんましんなどの不利益な症状が引き起こされます。
また、食物に関わらずアレルギーになりやすい体質は、遺伝しやすいものです。パパやママがアレルギー体質であればその性質をこどもが引き継いでいてもおかしくはありません。
一方、個人差はありますが、食物アレルギーの場合、鶏卵や牛乳、エビなどの甲殻類を食べたことが原因でアレルギーを発症してしまうこともあるので注意が必要です。
表示が義務付けられているアレルギー特定原材料とは
食物アレルギーを持っている方のために、包装された加工食品にはアレルギーを引き起こす可能性のある食品の表示が義務付けられています。
その食品は以下の通りです。
これら7品を「アレルギー特定原材料」と呼びます。
この他にも、表示義務はないものの表示が推奨されている食品が21品あります。
一方で、店頭での対面販売の商品や外食料理にはアレルギー表示の義務がないため、お店に確認をする必要があります。
こどもの食物アレルギー、私たちができる対策は?
こどもの食物アレルギーの対策としてまず挙がるのは、「こどもの成長」です。
こどもの食物アレルギーは、こどもの成長に伴い、症状が軽くなるケースがよく見受けられます。
治療の最初のステップは、やはりアレルゲンの食物を摂らないことです。専門医の指導のもとで安全に食事をすることを続けていきましょう!
また、病院の先生とコミュニケーションを取りながら治療していくことになりますので、こどもやパパ、ママに合ったお医者さんを見つけることも大切です。
アレルギーの原因となる食品が入っているかの確認は商品の裏面等に掲載されている原材料表示で行えます。
原材料表示の例。加工食品に特定原材料が使用されている場合は、その食品名の後にかっこで表示されます。例の場合だと、乳製品がアレルギー特定原材料にあたります。
まとめ
こどもの食物アレルギーは成長とともに治っていくものなのが多いですが、症状を甘くみてはいけません。
こどもの身体には負担がかかりますし、エビやカニなどの甲殻類のアレルギーは他の食物に比べて、アナフィラキシーショックを引き起こしやすく命に関わってきます。
私たち大人がそばで見守ってケアしてあげながら、少しずつ回復するのを待ってあげましょう!