健康

元気に見えても要注意!知らない間に忍びよるこどもの「鉄分欠乏症」

皆さんは、こども達は生まれた時の鉄分の蓄えがなくなった時や成長段階の時に鉄分が不足しやすいことはご存知でしょうか?

生後6ヶ月くらいの赤ちゃんは母乳栄養では、鉄分不足が起こりやすくなり、未熟児の場合はさらに鉄の蓄えが少ないので鉄分が不足しがちなのです。

また、思春期のこども達も成長が著しいため貧血になりがちです。

意外にも、こどもは鉄分が不足しがちで、「鉄分欠乏症」になりやすいものなのです!鉄分が不足してしまうと、赤ちゃんの場合は脳の発育に影響があり、思春期のこどもは集中力が落ちてしまい、学業の成績や部活動の運動にまで影響してしまうのです…

この鉄分欠乏症からこども達を守るにはどうすれば良いのでしょうか?

こどもは鉄分が不足しがち!

赤ちゃんの鉄分不足

完全母乳で育てられた満期産の赤ちゃんの場合、9ヶ月ごろまで完全母乳だと鉄分が不足してしまうケースが見られます。ミルクは鉄分を含んでいるので、ミルクを飲んで育った赤ちゃんは鉄分不足になりづらいです。

赤ちゃんが鉄分不足に陥ると以下のような症状が出てきます。

・遊んでいてもすぐに疲れてしまう
・母乳を吸う力が弱まる
・口内炎がある
・唇の色味が薄い    など

鉄分は食事でしか摂取できないので鉄分を多く含んだ離乳食を作ってあげるなどして対策していくことが必要なのです!

思春期のこども達は?

実は、思春期のこどもは一般成人に比べて多くの鉄分を必要とします。この時期に血液や筋肉が増大するためです。

この状態に加えて、部活動でのスポーツや月経、ストレスが重なると鉄分不足が深刻化してしまいます!しかも、症状は深刻な一方で、家族でもその症状を見抜けなかったり、健康診断でも異常が見つかりにくいという特徴もあり、鉄分が不足していることに気づくことが遅れるケースもあります

思春期のこども達が鉄分不足になるとこんなサインが現れます。

・朝、起きるのが苦手になる
・疲れやすくなる
・イライラしやすい
・食べムラがある    など

実際に思春期のこども達は鉄分の摂取量が約4割不足していると言われているので日々の食事で鉄分を摂らせることはとても大切なのです!

鉄分欠乏症の症状って?

鉄分欠乏症は体内に流れている赤血球に含まれるヘモグロビンと鉄分が不足してしまうことです。

正常な赤血球であれば十分に活動してくれますが、ヘモグロビンや鉄分が不足した赤血球は必要な成分が足りないため活動に支障をきたすのです…

そうなると、酸素を運ぶ能力が低下して、全身の細胞に酸素が行き届きにくくなります

その結果、以下のような症状が見られます。

・全身の倦怠感
・耳鳴り
・めまい
・息切れ   など

つまり、体内の鉄分が不足していると身体が元気に活動できないのです!

こどもの鉄分不足はこんなところにも影響が…

また、鉄分不足集中力の低下にもつながります。頭に酸素を運ぶための鉄分が不足することによって、頭がうまく働かずに集中力が途切れがちになり、学習の理解力も落ちてしまうのです。それが原因で、学業の成績が落ちる…なんてこともあり得ます。

では、どういう食事にしてあげたらこども達をサポートできるのでしょうか。

食事に「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」を!

鉄分欠乏症を予防する栄養素は「鉄分」です。

食品に含まれている「鉄」は2種類あります。鉄の種類によって吸収率も異なるので一緒に確認していきましょう。

ヘム鉄

吸収率 : 15~25%

肉や魚などの動物性食品に含まれています。非ヘム鉄に比べて高いので鉄を効率的に摂取できます

主に、ヘム鉄は牛肉や豚肉をはじめとした肉類の他にカツオやイワシなどの魚(特に血合い部分)、さらには、レバーといった食品に含まれます

非ヘム鉄

吸収率 : 2〜5%

野菜や穀類、卵や乳製品に含まれています。吸収率はヘム鉄よりも低いですが、タンパク質やビタミンCなどと組み合わせて摂取することで吸収力がアップし、より多くの鉄分を摂ることができます。卵や大豆、ほうれん草には非ヘム鉄が含まれています。


ヘム鉄を含んでいる食材例と非ヘム鉄を含んでいる食材例

どうやって鉄分を与えてあげたらいいの?

吸収率がいいからといってヘム鉄ばかりを取らせるのではなくて、非ヘム鉄を含む食材とヘム鉄を含んだ食材のバランスを考えて工夫することで、より効果的にこどもに鉄分を与えられます!

例えば、レバーを甘辛煮にしておかずに小松菜とにんじんのごま和えを晩ご飯で作ってあげれば、鉄分不足の解消につながります♪

一方で、鉄分の吸収を邪魔するカフェインやタンニン(コーヒーや紅茶などに含まれる)の摂りすぎにも気をつけましょう

「貯蔵鉄」フェリチン鉄

フェリチン鉄とは、普段は肝臓や脾臓に蓄えられている「貯蔵鉄」です。身体が鉄を必要としている時にこれらの臓器からリリースされ、血中のヘモグロビンに鉄を供給します。その鉄は酸素と結合して身体の細胞に酸素を届けるのです。

この貯蔵鉄が不足しているけど体内のヘモグロビンの値が正常なことも多く、この時は一般の血液検査だと鉄分不足が原因で元気が出ないことがわからないのです。

近年では、こうした方の需要に応えるためにフェリチン鉄を配合した商品も販売されています

まとめ

鉄分不足が原因で今後の発育にも影響が出てしまうと苦しい思いをするのはこども達です。元気が出ないと身体を動かせなくてストレスも溜まってしまうので鉄分の摂取は常に意識しなくてはなりません

鉄分欠乏症は普段の食事を見直すだけでも改善に向かうことがあるので、まずは何を食べさせてあげようか考えてみることから始めてみませんか?

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