9月は、夏の厳しい暑さが少しずつやわらぎ、朝晩には涼しい風が吹き始める季節です。田んぼでは稲穂が黄金色に実り、果樹園ではぶどうや梨など秋の味覚が旬を迎えます。空に浮かぶ雲は、夏の象徴だった入道雲からいわし雲へと姿を変え、夕方から夜にかけて涼しげな虫の音も聞こえるようになります。親子で空や風、草花の変化を感じながら散歩をすると、季節が少しずつ秋へ移り変わっていく様子を五感で楽しめるでしょう。
9月の自然
長月(ながつき)
9月の和名。由来は、「夜長月(よながつき)」が縮まったという説が一般的です。秋分を迎える9月は日が短くなり、夜が長く感じられることからこの名が付いたといわれています。
コスモス
細い茎の先に、一輪ずつ花を咲かせる可憐な植物です。花の色はピンク、白、赤、濃いピンクなどが代表的。風に揺れる優雅な姿から「秋桜(あきざくら)」とも呼ばれています。
梨
9月に旬を迎える果物。シャリシャリとした食感と、みずみずしい甘さが特徴で、水分を多く含むため暑さが残る時期にもぴったり。さまざまな品種があり、食べ比べも楽しめます。
二百二十日(にひゃくはつか)
立春から数えて220日目にあたる日で、例年9月10日頃です。昔から台風が来やすい時期とされ、農作物への被害を防ぐため、収穫前の稲や畑の備えを行う目安の日としてきました。
9月の行事
重陽(ちょうよう)の節句
どんな行事なの?
9月9日に行われる五節句の一つで、別名「菊の節句」とも。菊の花を飾ったり菊酒を飲んだりして、無病息災や長寿を願う伝統行事です。秋の実りに感謝し、健康を祈る日です。
どうやって始まったの?
重陽の節句の起源は古代中国にあります。中国では、奇数を縁起の良い「陽」の数字と考え、その中でも最も大きい「9」が重なる9月9日を特別な日として、邪気を払い長寿を願う行事が行われていました。この風習が平安時代に日本へ伝わり、宮中行事として広まりました。
まめ知識
重陽の節句には、「着せ綿(きせわた)」という風習があります。9月8日の夜、菊の花に真綿をかぶせておき、翌朝、露と菊の香りを含んだ綿で体を拭うと、邪気が払われ若さや健康を保てるとされていました。平安時代の宮中から始まった日本ならではの伝統文化です。
9月の記念日
敬老の日(9月第3月曜日)
高齢者を敬い、長寿をお祝いする国民の祝日。もともと兵庫県多可町で始まった「としよりの日」が起源とされ、その後、1966年に「敬老の日」として制定されました。祖父母へ感謝を伝えたり、一緒に食事をしたりして家族の絆を深める日として親しまれています。
洋菓子の日(9月29日)
フランスで菓子職人の守護聖人とされるサン・ミシェル(大天使ミカエル)の祝日にちなみ、2002年に三重県洋菓子協会が制定しました。洋菓子文化の発展や魅力を広く知ってもらうことを目的としており、この日には洋菓子店で限定商品やフェアが開催されることも。
9月の季語
名月(めいげつ)
旧暦8月15日の十五夜に昇る月を指し、現在では9月中旬から10月上旬頃にあたります。月を眺めて秋の実りに感謝する「お月見」の風習とも結び付き、多くの俳人が作品に詠んできました。代表的な俳句に「名月や 池をめぐりて 夜もすがら(松尾芭蕉)」など。





