
6月になると梅雨に入り、全国的に雨の日が多くなります。湿度が高く、蒸し暑く感じる日もありますが、色鮮やかな紫陽花が咲き、しっとりとした風情を楽しめる時期でもあります。地域によっては田植えが行われ、緑に包まれた田園風景が広がります。また、カエルの鳴き声や雨上がりの虹など、自然の小さな変化にも癒やされる季節です。雨音や新緑の香りなどを五感で感じつつ、親子で心落ち着くひとときを過ごしたいですね。
6月の自然
水無月(みなづき)
6月の和名。梅雨なのに「水の無い月」とは不思議な感じもしますが、実際は「無」は強調の働きをもつ「の」の意味。「水の月」、つまり「田に水を引く月」が語源だとされています。
鮎
6月に旬を迎える鮎は、清流で育つことから「香魚」とも呼ばれ、すがすがしい香りと繊細な味わいが魅力です。塩焼きが定番で、初夏の風物詩として親しまれています。
さくらんぼ
鮮やかに色づいた旬のさくらんぼは、口に入れるとプチッと弾けて甘酸っぱい味わいが広がる、まさに「初夏の味覚」。国内生産量の約7割以上が山形県で生産されています。
入梅(にゅうばい)
暦の上で梅雨が始まる日を指し、例年6月上旬にあたります。入梅の語源には諸説ありますが、ちょうど梅の実が熟して旬を迎える時期であることが由来だとする説が有力です。
6月の行事
虫送り

どんな行事なの?
農作物の害虫を駆除し、その年の豊作を祈願する目的で行われる伝統行事。地域にもよりますが、夜にたいまつをたいて、太鼓を叩きながら行列で田んぼの周辺を練り歩きます。
どうやって始まったの?
虫送りの起源は古代の農耕儀礼にさかのぼり、豊作を願う信仰的な行事として始まりました。虫は悪霊や災いの象徴ともされ、火や音で追い払うことで清めの意味もありました。地域によっては、害虫駆除だけでなく、病をもたらす疫神退散の願いも込めて行うことも。
まめ知識
虫送りは、「実盛(さねもり)送り」とも呼ばれます。その由来は、「平家物語」に登場する武将、斎藤実盛です。物語の中で実盛は、稲株に足を取られて転倒し、敵方に討たれてしまいます。そしてそれを恨み、稲を食い荒らす害虫に生まれ変わったと言い伝えられています。
6月の記念日
ねじの日(6月1日)
1949年6月1日に「工業標準化法」が施行され、日本工業規格(JIS)にねじ製品が初めて指定されました。これを記念して、ねじ商工連盟がこの日を「ねじの日」と定め、ねじの認知度向上を目指して毎年さまざまな取り組みを行っています。
かさの日(6月11日)
全国の洋傘製造業者有志によって設立された「日本洋傘振興協議会」が、1989年に、暦のうえで入梅にあたるこの日を「傘の日」に制定。日本洋傘振興協議会は、毎年、傘のファッション性や機能性についての魅力を紹介したり、キャンペーンを行うなどしていいます。

6月の誕生花
バラ
バラ科バラ属の総称。高貴な姿と豊かな色彩、洗練された香りで人々に愛され、「花の女王」とも呼ばれます。バラ全体の花言葉は「愛」「美」ですが、贈る本数によっても違いが。1本は「一目惚れ」、5本は「あなたに出会えてよかった」、100本は「100%の愛」なのだそう。
