ビタミン・ミネラルが子どもの成長に必要不可欠な理由

ビタミンやミネラルは三大栄養素といわれる「糖質・脂質・タンパク質」を助けるはたらきをします。エネルギーになることはありませんが、健康維持や体調管理に欠かせない栄養素で、三大栄養素にビタミン・ミネラルを合わせて五大栄養素ともいいます。必要量は微量ですが体内で作り出す事ができないため、食事からの摂取が不可欠です。ビタミン・ミネラルが不足すると体の機能や心身のバランスが崩れる原因となり、体調不良や心の不調を引き起こすこともあります。

ビタミン・ミネラルについて

ビタミン

ビタミンは「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」の大きく2つに分類され、13種類存在することが分かっています。主に代謝や合成を助ける補酵素のはたらきをします。

水溶性ビタミン（9種類）…ビタミンB群（B1、B2、B6、B12、パントテン酸、ナイアシン、ビオチン、葉酸）ビタミンC

脂溶性ビタミン（4種類）…ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK

ミネラル

ビタミンと同様に三大栄養素の分解、代謝や合成を助け、心身のバランスを保つ役割があります。ミネラルは約100種類存在するといわれ、人間にとって必須であるミネラルは16種類と言われています。

主要ミネラル（7種類）…カルシウム・リン・カリウム・硫黄・塩素・ナトリウム・マグネシウム

微量ミネラル（9種類）…鉄・亜鉛・銅・マンガン・クロム・ヨウ素・セレン・モリブデン・コバルト

成長や学習・勉強に関わるはたらき

ビタミン・ミネラルのはたらきの中でも成長や学習・勉強と関係が深いものとして下記が挙げられます。

・三大栄養素の代謝を助ける
・神経機能の維持
・神経伝達物質の合成

エネルギーの素となる三大栄養素はビタミン・ミネラルの補酵素のはたらきによってスムーズにエネルギーに変換されるようになります。また、ビタミン・ミネラルは神経機能の維持や神経伝達物質の合成にも関わりがあり、不足するとこれらの機能に影響が出ることもあります。

食事の糖質・脂質・タンパク質のバランスが取れていても、ビタミン・ミネラルが不足していると集中力や記憶力の低下や生活習慣病にかかりやすくなったり、心身に不調を及ぼしかねません。ビタミン・ミネラルのはたらきはそれぞれが複雑に関わり合って成り立っているため、どれか特定のものを摂取すればいいというわけではなく、どれもバランスよく不足しないように摂取する必要があります。

勉強や学習のパフォーマンスを上げるためには、「脳のエネルギーの素となる糖質」「神経伝達細胞の構成成分である脂質」「神経伝達物質の材料となるタンパク質」と、三大栄養素はもちろん、これらの代謝や合成のサポートをするビタミン・ミネラルも欠かすことが出来ません。

子どものために意識したいビタミンとミネラル

不足しがちといわれ、子どもの成長のために注目したいものを下記にまとめました。

ビタミン

【ビタミンB2】

「発育のビタミン」ともいわれ、欠乏すると成長障害が起こることも。エネルギー代謝（特に脂質）と体全体の成長に関係しています。

【ビタミンB6】

タンパク質代謝と再合成に関わる、身体を作るうえで重要な栄養素です。まぐろやかつおなどの赤身の魚や肉、レバーなどに含まれています。

ミネラル

【カルシウム】

骨や歯を形成する栄養素です。不足状態が続くと、虫歯になりやすくなったり骨粗鬆症を引き起こす可能性があります。日本人の食生活で不足しやすい栄養素といわれています。

【亜鉛】

様々な代謝をサポートし免疫機能にも関わっていて、子どもや胎児の成長に欠かせません。不足状態が続くと風邪を引きやすくなったり、成長障害が現れることもあります。加工食品には亜鉛の吸収を阻害する食品添加物が多用されており、最近の亜鉛不足の原因となっています。

【鉄】

酸素を全身に運ぶ役割があります。全身が酸素不足になると疲れやすくなったりやる気や集中力に影響することも。また、やる気や快楽に関わるドーパミンの合成には鉄が必要です。子どもや女性は特に不足しやすいので意識的な摂取を心がけましょう。

最後に

ビタミン・ミネラルは身体にとっては微量ですがとても重要な働きを担っています。健康維持や調子を整えるのに欠かせないもので、不足したり欠乏すると子どもの成長にも影響が出かねません。健やかな成長や、勉強や学習で最大のパフォーマンスを発揮するためにも必須の栄養素です。バランス良く必要量が摂取できるよう意識してみてはいかがでしょうか。