そもそも「偏差値」って?
毎年、寒くなると受験シーズンの到来を感じますね。今回は、受験における「偏差値」について考えたいと思います。偏差値とは、試験を受けた集団の中で、自分がどれくらいの位置にいるか?を指す言葉です。
中学受験では国語・算数・理科・社会の点数で偏差値が決まります。高校受験になれば、算数は数学に変わり、英語が加わります。大学受験になれば、理系・文系という分別も出てきます。もちろん、偏差値が高ければ指定された、もしくは選択した科目の点数が高いことになるので、周囲からは「良く出来る」と評価されますし、合格確率が高いということになります。しかし、忘れてはならないのが、偏差値は、限定された科目の点数でしか評価されないという点です。
偏差値では測れない「非認知能力」
昨今では、点数に表れる「認知能力」だけでなく、協調性、粘り強さ、創造性、コミュニケーション能力といった、測定できない「非認知能力」にも注目が集まっています。このように、ペーパー上だけでは評価できない能力を見極めるために、高校・大学受験では、出願者の人物像を大学の求める学生像(アドミッション・ポリシー)と照らし合わせて合否を決める、AO入試が増えているのが現状です。
偏差値だけでは判断できない「個性」
勉強が出来るのは良いことですが、誰しもがそれに興味を持てるか?と言えば決してそうではありません。したがって、特定の科目における偏差値だけで、学生の能力そのものに序列をつけることは本来、難しいことなのではないでしょうか。周囲も学生自身も個々の特性に気づき、どんな力があるのか?その学校で何を伸ばしたいのか?を考えて受験に臨むべき時代だと思います。