今回は、発明王トーマス・エジソンの幼少期について取り上げます。19~20世紀のアメリカで活躍し、1,300件を超える発明を成し遂げたエジソンですが、実は不登校児でした。エジソンが学校に通えなくなった原因は、小学校の先生との関係にありました。ある時、好奇心旺盛なエジソンが「1つの粘土と1つの粘土を足し合わせたら、大きな1つの粘土になる、だから1+1=1だ!」と言って、先生を質問攻めにしたところ「授業を妨害している」という理由で、入学から3カ月で小学校を退学になってしまいます。
エジソンの母親で元教師のナンシー・エリオット・エジソンは、息子に対して、学校に行かなくても自宅で、自分のペースで学ぶことができる環境をつくりました。興味を持つ科学や技術に関する本を集め、自由に実験を行うための部屋を作り、彼の好奇心を刺激したのです。そして、常に「なぜ?」という質問をし続けて、自分の考えを一層深めることを促しました。自宅での学習以外でも、列車での新聞売りや、町で自家製の野菜の販売をすることで、人間関係や社会の仕組みを学んでいきました。
このような経験から、後にエジソンは「母親がいなかったら発明家にはなっていなかった」と語っています。「どんな失敗も新たな一歩」という名言も、他には無い学習環境で好奇心を持ってチャレンジを続けたエジソンの言葉だからこそ、説得力があると言えるでしょう。