7月ともなれば、一気に本格的な夏が到来します。厳しい暑さのために、体が疲れやすくなり、食欲がなくなってしまうことも。そんな夏に打ち勝つため、日本人は昔からさまざまな形で暑気払いを行ってきました。特に暑さに効くとされている食べ物は、麦や瓜、氷など。現代では暑気払いと言えばもっぱら宴会をすることが多いですが、宴会に欠かせないビールもまさに麦(大麦)。体を冷やし、利尿作用で不要なものを体から出してくれる優れものなのです。
7月の行事
海の日は、毎年7月の第3月曜日に定められている国民の祝日の一つ。内閣府「国民の祝日について」によると、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日とされています。その由来は、1876年に明治天皇が東北地方を巡幸した帰り道、7月20日に「明治丸」という巡視船で横浜港へ無事にご帰着されたことを記念する「海の記念日」。その後、「海の記念日」の祝日化を願う声が高まり、「海の日」という名前で国民の祝日に制定されました。世界の国々の中で「海の日」を国民の祝日としている国は、唯一日本だけだとか。海に囲まれた島国であり、古くから海の恵みを多く受けて発展してきた日本ならではの祝日といえるかもしれません。
暑中見舞い
「暑中見舞い」とは、普段なかなか会えない親族や、いつもお世話になっている方々へ送る、夏の挨拶状です。小暑から立秋ごろ、具体的には7月7日〜8月7日ごろに送ります。もともとは、お盆に里帰りをする際、先祖の霊にお供えの品を持参していたことが由来とされています。それがのちに、お世話になった方へ「夏の挨拶」として贈答品を贈る形へ変化。明治時代になるとこの習慣はさらに簡素化し、現在のように挨拶状のみを送るようになりました。厳しい暑さで相手が体調を崩さないようにと健康への気遣いを込めて、短くても手書きのメッセージを添えれば一層喜ばれそうですね。ちなみに、立秋以降に送る場合は「残暑見舞い」として出すのがマナーとされています。
7月の星座
かに座
6月22日~7月22日の誕生星座。
四角形に並んだ星が目印で、かにの甲羅にあたる。この四角形の中には「プレセペ星団」と呼ばれる星の集まりがあり、春の星空の見どころの一つ。ギリシャ神話では隣にあるうみへび座の仲間とされ、勇者ヘルクレスがウミヘビを退治した時、一緒に倒されてしまったという。
7月のくらし
半夏生(はんげしょう)
半夏とはカラスビシャクという植物の別名で、この毒草が生ずる季節という意味。また、田植えの目安とされ、田植えを終えていなければいけない日とされていました。
七夕(たなばた)
毎年7月7日は、織姫と彦星が年に一度だけ会えるとされる「七夕」です。笹竹にさまざまな飾りや願い事を書いた短冊をつるし、庭先などに飾って星にお祈りをします。
小暑(しょうしょ)
二十四節気の一つで、2023年は7月7日です。「小暑」は「いよいよ暑さが本格的になるころ」という意味で、日本の夏の風物詩でもあるセミの声が聞こえ始める季節です。
大暑(たいしょ)
二十四節気の一つで、2023年は7月23日です。文字通り、1年のうちで最も暑さの厳しい時期。日に日に蒸し暑さが増していくので、夏バテや熱中症などに注意が必要です。