こどもはウソをつくものです。そもそも、大人ですらウソをつくのですから、こどもがウソをつくことは自然なことですよね。
その子の性格が悪いから、ウソをつくわけではありません。大切なのは、どうしてこどもがウソをつくのかという原因をわかってあげることです。
では、どうしてこどもはウソをつくのでしょうか?
主に考えられるこどものウソの原因は下記の3つです。
- 事実と想像の区別がつかない
- もっとかまってほしい
- 自分の身を守りたい
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
原因①:事実と想像の区別がつかない
心理的な発達が不十分な2歳半までのウソに、「事実を偽ろう」という意識はありません。
こどもは2歳半頃からウソをつくようになります。これより幼い頃は、空想や願望を話すことはあっても、ウソをついているという意識はないことがほとんどです。心理的発達が未熟な幼いこどもは、空想や願望を本当のことのように話します。
3歳頃になると自分の言っていることが現実とは異なっていることや、嘘をつく目的を意識できるようになります。違う見方をすると知能が発達しているということです。
成長すれば、事実と空想は区別できるようになります。なので、2歳半までのこどものウソに対して過度に敏感になる必要はありません。
大人がしっかりとこどもを見守って話を聞き、こどもの言葉が空想なのか事実なのかを判断しましょう。
原因②:もっとかまってほしい
こどもの中には、親にかまってほしいがためにウソをつく子がいます。
具体的には、お腹が痛くもないのに痛いと言ってみたり、学校での出来事を実際より大げさに表現したりしてしまうのです。
こうしたウソの原因は、こどもとのスキンシップ不足と考えられます。仕事が忙しくなると、ついついこどもとの会話やスキンシップが減ってしまうかもしれません。
すると、こどもは寂しくなってウソをついてしまうのです。
こうしたウソへの対応は至ってシンプルで、こどもとの会話や、スキンシップの時間をもっとつくってあげることが解決策となります。
原因③:自分の身を守りたい
こどもがウソをつく最大の原因は「自分の身を守りたい」という気持ちです。
具体的には自分のやったことを友達のせいにしたり、まだやっていないのに「宿題はやったよ」と言ったりするウソが当てはまります。
いずれのウソの場合も、常に厳しく叱ることはよくありません。まずはきちんとこどもの言い分を聞き、どんな言葉でも、こどもの言葉をまずはしっかりと聞いてあげるようにしましょう。そうすることでこどもは安心して正直な言葉を話せるようになるはずです。
その上で「自分の身を守るようなウソはよくない」など、冷静によくないウソが存在することを伝えてあげましょう。
こどものウソの原因=親のウソ?
親がつい言ってしまうのは、「おもちゃを片づけないなら全部捨てちゃうからね!」「好き嫌いばかりするなら、もうごはん作ってあげないからね!」など、決して実行に移さない非現実的な内容のウソです。
もちろん親は、悪意をもってこどもに嘘をつくことはありません。親がこどもに対して嘘をつくときは、こどものためを思うがゆえに仕方がない場合が多いのではないでしょうか。
親がこどもに『正直でいることが一番』と教えているにもかかわらず、嘘をついて正直でないところを見せてしまうと、こどもは次第に「お母さんは嘘を言っている」「お父さんは口ではこう言うけど、結局いつも実行しない」と、親を信用しなくなります。
親がこどもに向けた言葉は、思っている以上にこどもの人格形成に大きな影響を及ぼします。
だからこそ、こどもの前では「自分の言葉に正直であること」「自分の発言に責任をもつこと」を心がけるようにしましょう。
そうすることで、こどもは大人のまねをして自ずと正直になっていきます。