タンパク質
タンパク質は「炭水化物」「脂質」と並び、生きていくうえで特に重要な『三大栄養素』のひとつです。
人の体はほとんどがタンパク質から構成されており、皮膚や髪の毛、筋肉などを形成するほか、ホルモンや免疫物質などの調整機能をつくる材料にもなります。
2015年版までの厚生労働省が定めた【タンパク質の食事摂取基準】は、摂取不足(欠乏)をギリギリ回避できる”必要最低限の摂取量”であったことから
2020年の最新版では、“正常な身体の成長を促すために必要な量”に基づき、摂取目標量が大幅に引き上げられました。
また、タンパク質は体内に溜めておくことができないため一気に摂取したらOKというわけにはいかず、毎日コンスタントに摂り続ける必要があります。
こどものタンパク質不足による影響
身体がぐんぐん成長する幼少期には、大人以上にタンパク質が重要になります。
ですが、現代のこどもたちのタンパク質不足は深刻で、その水準は戦後直後まで落ちていると言われています。
出典:国民健康・栄養調査
そのため日本の子どもたちの8割は、1日のカロリーは満たしているにも関わらず必要な栄養素が足りていない「現代型栄養失調」のリスクがあるのが現状です。
この時期にタンパク質が不足してしまうと、筋力が発達せず運動機能の低下や身体の発育不良を招いてしまう可能性も。
さらに幼少期のタンパク質不足は、身体だけでなく脳にまで悪影響を及ぼします。
タンパク質は脳の機能や成長をつかさどる神経細胞や、セロトニンやドーパミンなどの『幸せホルモン』を作り出す役割も担っています。
『身体』は10歳以降に訪れる“思春期”に成長のピークを迎えるのに対し、『脳』は身体よりも遥かに早い段階で成長のピークを迎えます。
なんと6歳までに脳の約90%が完成し、それ以降の伸びしろはたった10%程度。
急速に発達するこの時期に必要な栄養素を与えないことで、成長が抑制されてしまいます。
つまり、考える力や集中力、学力の向上のためには、
“6歳までにいかにタンパク質を与え、脳の基盤づくりができるか”が重要です。
健康的な身体の維持だけでなく、豊かな思考や感性を育むためも、幼児期のタンパク質は欠かせないのです。