親として、保護者として、子どもには生涯、「楽しい」人生を送ってもらいたいものですよね。今号では、子どもの「楽しい」という感情について考えたいと思います。
「楽しい」という感情は、ほとんどの人に物心ついたころから備わっていて、改めてどんなものか?と問われると難しいかと思います。そもそも「楽しい」というのは、「喜怒哀楽」という人間が持つ感情の一つです。そして、「楽しい」には「愉しい」という書き方が別に存在します。これらは、どのように異なるのでしょうか。
「楽しい」は、「楽しく日常を過ごす」という例からも分かるように、すでに存在するものや与えられたものに対して使われます。その一方で、「愉しい」の「愉」という文字は、自分の感情や気持ちで感じるという意味合いが強くなり、自分の意識や感情次第でコントロールできるというニュアンスになります。
このことから、直感的に何かを楽しいと感じることと、物事を継続的に楽しいと思い続けるというのは違った感覚であると言えるかも知れません。もちろん、子ども達が短絡的に楽しいと思える経験を積むことも重要かも知れませんが、自分の感情をコントロールしながら試行錯誤したり、考えたり、悩んだり、苦労しながら何かに取り組み、真の楽しさを知ることも、同時に必要なことだと考えられます。
ゴールデンエイジと言われる幼少期に、本質的に楽しいと思える経験を親子で作っていくことは、人生を豊かにすることに繋がると思います。