昨今、「アート思考」という言葉が社会で注目されていることをご存じでしょうか。
特にビジネスの世界では、自由かつ柔軟にものごとをとらえる「アート・シンキング」の必要性が、ここ数年で一気に高まっています。この背景には、価値観の多様化、物事の変化のスピード、行き先が不透明な社会情勢の中で、型にはまった言動だけでは太刀打ちできないという考え方があります。
では、幼少期から「アート思考」を育むためにはどうすれば良いのでしょうか。アート思考とは、必ずしも芸術的感覚を問うものではありません。一般的に、この思考を身につけるためには、問題提起力(批判的洞察力)・創造力(コンセプト表現)・実践力(制約条件の突破)・共想力(相互作用や共感)を自身の力にすることが重要だと言われています。
このように言われても「じゃあ、どうやって身につけるの?」と気になりますよね。幼少期から取り組めることとしては、自由画や砂遊び、折り紙や塗り絵などの創作活動が挙げられると思います。まずは、大人が子どもの作品に興味を持ち、素直に評価して、さらに興味を持つようにチャレンジを促すことが重要だと考えられます。そうすれば、子どもはより、自身の創作物を自由な発想でブラッシュアップしていくはずです。自問自答しながら作品を作り、時に批判的に改良や修正を繰り返すことで成長することができるでしょう。
重要なことは、大人が否定したり、無視したりすることなく後押しすること、そして作品についての考えを共有することではないでしょうか。創作活動以外にも、人が作った創作物について互いの想いや考えをぶつけ合う機会をつくることも大切だと思います。