以前にこのコラムで、子どもの運動やスポーツについて書いたことがありますが、今号では、「運動神経」と「運動能力」の違いについて少し深掘って考えていきたいと思います
「運動神経」と「運動能力」ってなんだろう?
まず、運動神経とは、脳からの指令をできるだけ速く正確に身体で表現する力です。これは、脳と身体を効率よく連動させるものですから、運動神経がいい子=体の動かし方が上手い子と言い換えることができるでしょう。
次に、運動能力という言葉があります。これは運動神経とは異なり、骨格、筋肉、動体視力など運動するための身体的な力を指します。
一般的に運動神経は、遺伝による影響を受けにくく、運動能力は遺伝による影響が大きいと言われています。
中には、足はすごく速いけれど、バットにボールが当たらない子がいます。他にも、ボールを上手にキャッチできない子もいるでしょう。逆に、足が遅くても、いつもバットの芯でボールを捉えることができたり、速い球を投げられる子がいるかもしれません。
なぜこのような差異が生まれるのでしょうか。
練習にも正しい情報が必要
実は、球技センスというのは、空間認識能力の高さを表しています。短距離や長距離を走る能力は、生まれつき得手・不得手が見られます(もちろんトレーニングによって能力の向上が図れます)。
しかし、この空間認識能力という運動神経を鍛えて伸ばすことは可能だと考えられます。家庭の中でのボール遊びやキャッチボール、ドリブルなどを習慣にすることでお子様の潜在能力を顕在化させてあげることができるかもしれません。
自分の子は生まれつき運動が苦手だという思い込みをするのではなく、正しい情報を集め、良い習慣を作ることが有効だと思います。