「乳歯はいずれ抜けるものだから」
と、乳歯の歯磨きをつい軽く考えてしまっていませんか?
じつは、乳歯の状態は、将来の歯の健康はもちろん、心身のすこやかな成長にも重要なカギをにぎっています。
大切な乳歯をむし歯から守るには、親である私達がどんな点に気をつけたらいいのか、またどのような教え方が良いのかを今回はテーマに考えていきます。
乳歯は虫歯になりやすい?
むし歯の原因は、歯の表面についている細菌のかたまり『歯垢』です。
この歯垢の中にいるむし歯菌が、砂糖から「酸」を作り、歯のエナメル質を溶かしてしまい、むし歯となってしまいます。
乳歯は、永久歯に比べてエナメル質がうすく、やわらかいことから酸に弱いという特徴があります。
このため、むし歯になると進行がはやく、5~6カ月で神経まで達することがあります。
むし歯は、歯と歯の間の見えないところにできやすいため、穴があくまで気がつかないことが多く、気づいたときにはむし歯が見える部分だけでなくかなり奥まで進行しているケースもあります。
乳歯は抜けるのに、虫歯になってはいけないの?
乳歯がむし歯になると、痛みを感じ、ものがしっかりかめなくなります。
よくかめないと、唾液が十分に分泌されないので、栄養の吸収が悪くなります。また、かたいものを嫌うようになり、偏食の原因にもなります。
さらに、永久歯の歯並びにも影響してきます。
きちんとかめないとあごが発達せず、永久歯の並ぶスペースがなくなってしまうからです。
また、乳歯がむし歯によって早く抜けると、永久歯は正しい位置に生えることができません。
歯並びが悪いと、みがき残しが多くなり、むし歯になりやすくなりますので、乳歯を健康に保つことは、永久歯の健康につなげるためにも、とても重要なことなのです。
こどもに上手な歯磨きをさせるには?
こどもに歯磨きを身につけるためによくやってしまうNG行為として、
「甘いものを食べたらしっかり歯を磨きなさい。」「ご飯を食べたあとは必ず歯磨きをしなさい。」など、毎回のようにガミガミいい聞かせたり、むし歯や抜けた歯の写真を見せて「あんな風になってもいいの!」と、恐怖心や不安感を煽ることがあげられます。
これはあくまで、こどもに「機械的に従わせている」に過ぎません。
こどもに強制したり、マイナスのイメージをもたせるのではなく、
「虫歯が無ければ、自分の好きなものや美味しいものを何でも食べることが出来る」
「虫歯の無いキレイな歯並びで、笑顔がもっと可愛くなる」などの前向きな感情をもたせることが大切です。
歯ブラシの動かし方から磨く場所まで、丁寧に細かいステップにして親が教えてあげることで、虫歯のできにくい歯磨きを身につけることができます。
丁寧に細かいステップで歯磨きの仕方を教えてあげれば、子どもも理解しやすく、今までの歯磨きを改め、きちんとした歯磨きを行うようになってくれるはずです。