いつも同じものばかり食べている、野菜が嫌いでなかなか食べてくれない、食べられるものが少ないので少食気味、偏食が原因で栄養の偏りが気になる。
そんなお子さまの偏食にお悩みの方は多いのではないでしょうか。実際に厚生労働省の調査によると、3人に1人がお子さまの偏食について悩みを抱えているようです。
成長に必要な栄養をしっかり取ってほしい!好き嫌いせずに何でも食べる子どもに育ってほしい!そんな思いをもつママさんパパさんは少なくないはず。今回は子どもの偏食について改善法を併せてご紹介していきます。
こどもの偏食について
一般的には「ある特定の食品に対する好き嫌いがはっきりしていてその程度がひどい場合」を言います。子どもの偏食は主に2~4歳から起こり始め、成長とともに改善する場合もありますが、そのまま好き嫌いがはっきり定着してしまうこともあるようです。
この時期に偏食が起こる原因は
・味覚が成長し始めて好き嫌いが出てくる
・自我が芽生えてきて主張が激しくなる
などのことが挙げられます。
味覚の中でも「酸味」と「苦味」は、本能的に毒と判断して食べることを拒否してしまうことも。
自我が芽生えたこどもは、食べたことのない未知の食材を危険と判断して口に入れる事を拒否することもあります。
また偏食を予防するには、生後5か月前後~2歳までの間の味覚を育む「黄金期」に様々な味を経験させること、素材そのものの味を知るために味付けをせずに食べさせることも大切なんだそうです。
とはいえ2歳までに食べられるものは限られているし、今まで食べていたのに急に「イヤッ!」といって食べなくなることも。子供の偏食には根気強く向き合う必要があるようですね。
こどもの偏食を改善するには
子どもの偏食を改善する対策は大きく分けて二つあります。
生活習慣の見直し
しっかりお腹を空かせてから食事をさせることも対策の内です。そのためにもいくつかの点を見直してみてはいかがでしょうか。
・間食が多い
おやつやジュースでお腹いっぱいだとご飯が食べれなくなってしまいます。
好きなものしか食べられない習慣につながるので工夫が必要です。
・睡眠不足
胃腸は睡眠時も動いているので寝ている間に消化が進むことで起きた時に空腹感を感じやすくなります。睡眠不足だと、その分消化の進みも悪くなり空腹を感じにくくなってしまいます。
・運動不足
運動不足でエネルギーの消費ができていないと、そもそもお腹が空いていないこともあります。
日中に公園などでたくさん身体を動かすようにしてみてはいかがでしょうか。
元気が有り余っていると夜ぐっすり眠れないなんてことにも繋がります。
食事の工夫
食べ物を拒絶するのには4つの感覚が関係しています。それぞれ原因を理解して調理法を工夫することで食べてくれるようになることもありますよ♪
視覚
美味しくないと判断したものに似ているものを嫌うことがあります。色の印象を抑えるためにポタージュにしたり卵焼きに混ぜてみてはいかがでしょう。
その他にも、細かく刻んで挽肉に混ぜて見た目を分からなくする、人参をお花の形に切るなど食材を飾り切りして興味を持たせるのも工夫の一つです。
嗅覚
食べられるかどうかを「匂い」で判断していることもあります。玉ねぎをしっかり炒めてカレーに入れる、人参はツナと炒めてしりしりにするなど、食材の独特な匂いを抑えるような調理をすることで食べてくれることもあります。
味覚
前にも書いた通り、味覚の中でも「酸味」と「苦味」は、本能的に毒と判断して食べることを拒否してしまうことがあります。調味料選びを工夫したり、食材自体に酸味や苦味がある場合はそれらを抑えられる調理をしてみましょう。
触覚
筋が多く上手く噛み切れないものや口当たりが不快だと吐き出してしまう事があります。蒸したり煮込んで柔らかくする、細かく刻む、すり下ろして食感が残らないようにするなどの工夫をすることで食べやすくなりますよ。
その他にも
・食材に愛着を持たせる
例えば家庭菜園で野菜を育てたり、畑で収穫体験をしてみるなど、実際に体験することで食材に対して愛着が生まれることに繋がります。
プランターでもたくさん実りやすいピーマンやトマト等は、マンションにお住まいの方でもベランダで栽培できるのでおすすめです。
・一緒に料理をしてみる
楽しく料理ができると「自分で作ったものだ!」と喜んで食べてくれることもあります。最初は野菜をちぎったり、材料を混ぜたりするところから始めて、できることが増えてきたら餃子や、つみれ、ハンバーグを一緒に捏ねたり包んだりするのもおすすめです。
みんなで楽しく料理をすることで食事に楽しい印象を与えることができますよ。「〇〇ちゃん、〇〇くんが作ってくれたから美味しいね~!」と笑顔で褒めてあげましょう♪
・お友達との食事会を設けてみる
アメリカの有名な発達心理学者リーン・バーチ氏の研究によると、子ども(2~5歳)は自分が食べたことのない食べ物や嫌いな食べ物も、他の子どもがおいしそうに食べていれば徐々にそれを食べるようになることも報告されています。
お子さんのお友達との食事会を開いてみたり、普段からパパやママ、お兄ちゃんやお姉ちゃんがおいしそうに食事をすることも大事ですね。
<出典>
Birch,L.L. (1980). Effects of peer models’food choices and eating behaviors on
preschoolers’ food preferences. Child Development,51,489-496.
最後に
お子さまの偏食にお悩み中のママやパパの中には、既にいろいろな対策にチャレンジされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それに、これだけの対策を全部実行するのは大きな負担ですよね。一生懸命工夫して料理をしてもなかなか食べてくれないことが続くと、不安になったり気持ちが落ち込んでしまう事も。
そんな時には手を抜いてみたり、便利な物に頼るのも一つの方法だと思います。嫌がる物を食べるように強要し過ぎて、子どもにとって食事の時間が苦痛になってしまうのはとても悲しいことですよね。
最近は料理に混ぜるだけで栄養を補える子ども用の便利なパウダーなども多数販売されています!
子どもに気付かれずこっそり栄養補給ができるので、好きなものに混ぜて栄養を摂ってくれるだけで気持ちが随分軽くなりましたよ。
お子さまの偏食にはしっかり向き合いつつ、これらを上手く活用してお子さまの成長をサポートしてくださいね!