親子のコミュニケーションの一環として、あるいは寝かしつけとして、多くの家庭で取り入れられている「絵本の読み聞かせ」。
しかし、「なんとなく教育によさそうだからやっているけど、どういいのかはわからない」という方も少なくないのではないでしょうか?
絵本の読み聞かせについて、数多くの専門家が、
“本当に頭のいい子” を育てるには、「幼児教育の中心には絵本の読み聞かせを据えるべきだ」「絵本の読み聞かせにはとてつもない効果がある」と断言しています。
専門家が断言しているように、絵本の読み聞かせには、子どもにとってたくさんのメリットがあります。
今回は、その理由についてご紹介します。
読み聞かせはこどもの豊かな心を育む
絵本の読み聞かせは、子どもの人格形成に大きな役割を果たします。
こどもは8歳くらいまで、現実と空想の境目が曖昧なため、絵本のなかの出来事も自分の体験の一部になるのだそうです。
そのため、絵本の主人公が笑っていれば、子どもも「楽しい」と感じ、おいしいものを食べている場面であれば、「おいしい!」と感じます。実際には経験していないことであっても、「仲間外れにされると、こんなに悲しい気持ちになるんだな」と「心」を学ぶことができるのです。
絵本の中で、喜びや楽しさ、悲しみや悔しさなどを体感することで、喜怒哀楽の感情が豊かになったり、人の痛みや喜びを分かち合える共感性が生まれると言います。
絵本の読み聞かせにより、「心」をしっかり動かし、発達させることで、感情が豊かになっていきます。
読み聞かせは語彙力を鍛え、学力向上につながる
絵本の読み聞かせの効果は、学力向上にも効果があるといわれています。
そのひとつとして、読み聞かせにより「語彙力」が向上することがあげられています。
文部科学省の平成28年度の調査で、「読書好きの子どもは国語と算数の成績がよかった」ことがわかりました。
実際に学力の高い大学生の多くが、子どものころ、親にしてもらって感謝している教育として「小さい頃に絵本の読み聞かせをしてもらい、それがよかったと感じている」という答えが多いそうです。
こどもに絵本を読み聞かせてあげることで、自然とこどもの語彙力が鍛えられます。
語彙力が鍛えられ、多くの言葉を理解することで、文章理解力も増します。
語彙力が乏しいと、授業中に先生が何を言っているのかわからない、テスト中に問題文の意味が理解できない、などから勉強への苦手意識が高まってしまいます。
授業での先生の話をより深く理解することで、国語のみならず、読み聞かせにより身についた語彙力や文章理解力は、全教科で活かされ、学力向上へとつながります。
読み聞かせは親子の絆を深める
読み聞かせを始める時期は、実は生後すぐからでも良いといわれています。
赤ちゃんはまだ絵本の内容を理解できませんが、絵本タイムが親子のコミュニケーションの貴重な時間となるからです。
読み聞かせの際、親子の肌が触れ合うことで、脳内では「愛情ホルモン」と言われるオキシトシンが分泌し、親子の心の絆がより深まるという効果も期待できます。
一緒に読んだ絵本の世界は、親子の共通言語になります。
共有した時間や経験が多ければ多いほど、絵本の世界で過ごした時間が長ければ長いほど、芯の強い、どんな変化の時代にも強い人間が育つのです。