子どもの視力について!
視力は学習や日常生活においてとても重要な役割を果たしています。
視力が下がってしまうと日常生活の様々な場面で不便なことが起きます。
子どもの視力はどのように発達していくのか、また子ども自身だけでは気づきにくい視力の低下のサイン、その予防などについてお伝えしていきます!
視力の発達
視力の発達は生後すぐに始まり、10歳ごろまでに視機能の発達がほとんど完成します。
<赤ちゃんの視力>
生まれて間もない赤ちゃんの視力は0.02~0.04くらいでほとんど見えません。自分の手やママの顔など、様々なものを見ることで視力を成長させていきます。2~3か月ごろから動くものを目で追ったり、人の顔を見て笑ったりという反応が見られます。6~12か月頃には視力が0.1ほどに成長し視界にあるおもちゃなどに手を伸ばす動作が見られます。
<1~5歳>
1歳ころから歩行を始めるとともに視力もぐん!と発達します。色や形を識別できるようになり、距離感もつかめるようになります。3~5歳頃にはさらに視力が向上し、成人に近いレベルまで成長します。この時期に視力検査を受けることで、幼少期の視力の問題を早期に発見することができます。
<6歳以降>
学齢期に入ると、大人と同じレベルの立体視が完成され、視機能の発達がほとんど完成されます。しかし、学齢期には本格的な学習が始まります。教科書や本、また最近ではタブレットを使った授業なども一般的となり、小さい文字を見る機会が一気に増え視力への問題が表面化しだす時期でもあります。
これらのように、視機能の発達する時期のことを「視覚の感受性期間」といいます。生後3か月~6か月頃までに急激に発達し、8歳くらいまでに緩やかに発達していきます。成長する過程で何らかの異常が生じ正常に視機能が発達できないと、生涯にわたって視機能に影響を及ぼす可能性があります。
視力検査の重要性
視覚の正常な発達のためには、眼の異常を早期発見し、早期治療に繋げることが大切です。
そのため、視覚の感受性期間に行う視力検査は重要な役割を果たしています。(3歳児検診や保育園、幼稚園、小学校での視力検査など)
<子どもの視力低下のサイン>
・目を細めて対象のものを見る
・テレビなど対象のものに近づいて見る
・瞬きが多くなる
・目をこすることが増えた
これらは子どもの視力低下のサインかもしれません。でも、視力問題は子ども自身ではなかなか気づけないことも。視力検査だけでなく、日常生活の中で周りの大人が子どもの変化に気づいてあげることも大切です。
近視
子どもの視力低下の問題の多くは近くのものが見えやすく、遠くのものが見えにくい状態である「近視」と考えられます。
近くでものを見る癖や長時間のゲームやスマホでの動画視聴などで日常的に眼が酷使され続けると、近い距離に焦点を合わせるように目が前後に長く変形します。
近視には、遺伝と環境の両方が原因として関係しています。小学校入学前の年齢での近視は、遺伝の方が強く関係していると言われています。逆に、小学校入学後に近視になった場合は環境が大きな要因として考えられるそう。特に近年では、パソコン・タブレット・スマートフォンなどのデジタル機器の長時間の使用が大きな要因になっていると考えられています。
視力を低下させないためには?
では、子どもの視力の発達に大事な時期にどのような点に注意して視力低下の予防をすればいいでしょうか?学校や家庭、日常生活で注意すべきポイントをお伝えします。
①適切な明るさを保つ
読書や何か作業をする際、またテレビやスマホ・タブレットの画面を見る際にも十分な照明を確保することが大切です。十分な明るさがないと、目に大きな負担がかかり視力低下の大きな原因となり得ます。
② 正しい姿勢を保つ
正しい姿勢を保つことは視距離を保つために必要です。寝転んで読書やスマホの操作をしたり、近くでテレビを見たりすることは近視が進行しやすく、さらには両目の視力に左右差が出てしまうと言われています。
③ 目を休ませる
テレビやゲーム、スマートフォンの画面は目の疲労、ドライアイ、視力低下などの原因として考えられます。長時間の利用は避け、目を休ませることが大切です。集中している子どもには、大人が気付いてあげて、注意して声をかけていきましょう。
また、目を休ませるために子どもと一緒にルールを決めることもおすすめです。
・長時間見ない、使用しない
・1時間に1回必ず10分以上の休憩をとる
・睡眠をしっかりとり、目を休ませる etc…
まとめ
子どもの「視覚の感受性期間」は一生涯使っていく視機能が完成する大切な時期です。
正しい生活習慣や定期的な検査の重要性を理解し、親として子どもの視力を守り、サポートしていきましょう!子どもが見る世界が、将来もずっと明るいものでありますように (^^)