会報誌

自ら考え行動できる人間をつくることが重要である【つくし会】

今回は、現代物理学の基礎をつくり、ノーベル物理学賞を受賞したアルベルト・アインシュタイン(ベロをベーッと出した面白そうな博士と言えば、ピンとくる人も多いでしょう)の幼少期についてご紹介したいと思います。

1879年に生まれたアインシュタインは、5歳頃まであまり言葉を発することがなかったため、両親は彼の成長や発達について心配していました。5歳の頃に父親から「方位磁石」をもらったことがきっかけで「自然界の仕組み」に強い関心を持つようになります。母がピアニストであったため、幼い頃から音楽に親しみ、6歳からバイオリンを始めます。モーツァルトを好んで弾いたともいわれています。

また、アインシュタインは「ユダヤ式教育」を受けたことでも有名です。ユダヤ式教育は、聖典を幼いころから何度も繰り返し読み聞かせ、自分でも音読と暗記を実践するものです。そして、常に質問と討論を繰り返し、問題について考え抜くことで、クリティカル・シンキング、コミュニケーション力、問題解決力、自分で考え理解するといったスキルを身につける手法がとられます。教育の基礎は、家庭内教育にあるとされ「ナンバー・ワン」よりも「オンリー・ワン」になることが大切という考え方があります。一つのことにとことん向き合い、その真理を追究するアインシュタインの強みは、家庭内でのユダヤ式教育によって磨かれたものであるといっても過言ではありません。

このような教育の元で学んだアインシュタインは、9歳で「ピタゴラスの定理」、12歳で「ユークリッド幾何学」を独学し、あまりにも有名な数々の論文を発表しました。天才と称されるアインシュタインですが、その才能は幼少期からの習慣によって磨かれたと考えられます。

A genius is the man of average ability who makes an effort.
天才とは努力する凡才の事である。
アルベルト・アインシュタイン